感想: 殺し屋を好きになる『マリアビートル』
伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズ第2弾『マリアビートル』を読みました。
前作『グラスホッパー』を越えてくる面白さでした。新幹線という密室のようで密室でない空間で繰り広げられる殺し屋たちの2時間半の熾烈な闘い。
夢中になり、600ページ近くの長編でしたがあっという間に読み終えました。
- スピード感のある小説が読みたい方
- ハラハラドキドキしたい方
- 機関車トーマスが好きな方
- とにかくついていない方
- 殺し屋を好きになってみたい方
上記の方にはおすすめなので是非読んでみてください!
主な登場人物
- 木村⋯王子に息子を殺されかけ復讐を企てる。アル中。元殺し屋。
- 王子⋯木村の息子である渉を屋上から落とし怪我を負わせる。屈折した侮れない中学生。
- 檸檬⋯蜜柑とコンビを組む腕利きの殺し屋。機関車トーマスが好き。ザB型。
- 蜜柑⋯檸檬の片割れ。小説が好き。論理的で檸檬とは対照的。
- 七尾⋯別名天道虫。とっても運の悪い殺し屋。
あらすじ
王子への復讐を企てた木村だったが、王子の策略により逆に王子に拘束された上に自分に危害を加えると渉の命はないと脅されてしまう。
檸檬と蜜柑は峰岸という男に頼まれ、彼の息子と大金の入ったトランクを運んでいた。
その頃七尾はあるトランクを奪うことを依頼されていた。
さて、この5人の乗り合わせた新幹線で何が起きるのか!?
感想(ネタバレなし)
とにかくハラハラドキドキしっぱなしでした。
個人的に檸檬と蜜柑コンビ(特に檸檬)が好きだったので檸檬と蜜柑に有利になりよし!と思ったかと思うとすぐにピンチになり、と息付く暇がなかったです。
出てくる人たちは真っ当ではないことをしている人たちばかりなのですが、気づけば大好きになっていました。(王子を除き)
前回『グラスホッパー』を読んだ時にも思ったのですが、殺し屋さえも愛させる伊坂さんの人物を魅力的に描く力には感服です。
でも悪役は嫌いになるくらいしっかり悪役ですしすごいなあといつも思います。
伏線が多く張り巡らされておりそれが回収される様や、伊坂さん定番のほかの作品の登場人物が出てくる仕掛けもあり、とっても楽しめました。最後はまさかの展開なのですがスッキリ終わるので、爽快感も味わえます。
これだけ読んでも十分楽しめますが、シリーズものであり、先述の通り前作の登場人物が出てくるので「読みたい!」って方はこちらのグラスホッパーを読んでからマリアビートルを読むことおすすめします。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2007/06/23
- メディア: 文庫
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ここからはネタバレあり感想です
さっきも書きましたが、わたしは檸檬が大好きだったので死んでしまった時本当に悲しかったです。
小説読んでて「え〜そんなぁ」と声が出たのは久しぶりでした。
蜜柑の時もでしたが七尾くんは何も悪くないのにおい七尾💢と思ったり(笑)(ちゃんと七尾くんもすきです)
私がここまで檸檬を推してるのは好きな芸能人の人をイメージして読んでたのもあると思いますが、それにしてもここまで愛させる伊坂さんすごい……!
あと木村父母がかっこよすぎました。
何度も名前のでてきた伝説の殺し屋がまさかのお父さんだったとは!
王子はどうなったのか分かりませんが、してきたことを考えると罰を受けても仕方ないですよね。
鈴木さんが前を向いて生きていたのもうれしかったです。
『AX』も読みたくなりました。
というか最近何故か伊坂さん読みたい欲がすごいので、しばらく小説は伊坂さんかな〜〜
『ゴールデンスランバー』とか『オーデュボンの祈り』とかすごく再読したいので、今買ってある本を読んだらまずは読み返していこうと思います!
よかったらみなさんの好きな伊坂さん作品教えていただけたらうれしいです(^O^)